食品の認定マーク

食品には、その品質を保証するマークがつけられています。そのマークの意味を知ることは、食品を選択する上で役立つことでしょう。
ここでは、法律で許認可される「JASマーク」「特定JASマーク」「有機JASマーク」「特別用途食品マーク」「特定保健用食品マーク」「JHFA認定マーク」「精米の認証マーク」を取り上げます。

JASマーク
基づく法律農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)(農林水産省)・任意
基準日本農林規格(JAS規格)
対象農林物資(飲食料品、農産物、林産物、畜産物、水産物)
主な目的品質の基準と品質に関する表示の基準
JAS規格に基づく格付けの受検は任意で、JASマークのつかない製品の流通は制限されていません。
平成12年6月から施行された改正JAS法により公益法人等にのみ格付け権限が与えられていたものが、民間会社等へも格付け権限が開放されました。

品質については、品位・成分・性能などの項目ごとに基準が定められていて、等級区分が定められているものもあります。
表示については、表示事項として品名・原材料名・内容量・賞味期限・保存方法・製造者の氏名と住所などを一括して表示することや、表示してはいけない事項などがあります。

JAS規格制定品目(平成12年6月現在)
飲食料品及び油脂297規格(79品目)うち特定JAS規格9規格(6品目)
水産物14規格(2品目)
林産物39規格(25品目)
農産物その他3規格(3品目)

特定JASマーク
基づく法律農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)(農林水産省)・任意
基準日本農林規格(JAS規格)
対象熟成ハム類、熟成ソーセージ類、熟成ベーコン類、地鶏肉(平成12年6月現在)
主な目的品質の基準と品質に関する表示の基準
日本農林規格(JAS規格)のうち、特別な生産・製造方法についての基準を内容とする規格が「特定JAS規格」です。
特定JAS規格は、特別な生産方法や特色ある原材料などをうたう商品が出回りその需要が増えるにつれ、消費者や需要者がその内容を適正に判断できるよう、統一的な基準を作って円滑な生産・流通をはかるためのに平成5年から導入されました。

有機JASマーク
基づく法律農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)(農林水産省)・任意
基準日本農林規格(JAS規格)
対象指定農林物資(有機農産物と有機農産物加工食品)
主な目的品質の基準と品質に関する表示の基準
指定農林物資が平成12年10月1日に指定され、さらに所定の経過措置(当面平成14年3月31日まで)が設けられています。
有機農産物の日本農林規格」「有機農産物加工食品の日本農林規格」を満たすと認定され、平成13年4月1日以降、この有機JASマークが付いたものでなければ、「有機」の表示ができなくなりました。

有機農産物のJAS規格と関連して規格の対象となる表示は、たとえば「有機野菜」、「有機栽培米」、「ばれいしょ(有機農産物)」、「キャベツ(オーガニック)」、「にんじん(有機農法)」などです。
「有機低農薬栽培」等の有機農産物と紛らわしい表示も規制されます。
従来は、「有機」の表示違反への罰則その他の処分はありませんでしたが、この法律には、罰則が設けられています。

特別用途食品マーク
基づく法律栄養改善法(厚生労働省)・任意
基準特別用途食品表示許可基準 (個別評価型の特別用途食品を除く)
対象病者用食品(低カロリー食品、低ナトリウム食品などの病者用単一食品および糖尿病食調製用食品などの病者用組み合わせ食品)、
妊婦・授乳婦用粉乳、乳児用調製粉乳、高齢者用食品および特定保健用食品
主な目的栄養改善
「栄養改善法」により、「乳児用」、「幼児用」、「妊産婦用」、「病者用」等特別の用途に適するという表示をするには厚生大臣の許可が必要です。
特別用途食品には、病者用食品(低カロリー食品、低ナトリウム食品などの病者用単一食品および糖尿病食調製用食品などの病者用組み合わせ食品)、妊婦・授乳婦用粉乳、乳児用調製粉乳、高齢者用食品および特定保健用食品があります。

平成13年1月現在、約600種類の食品が許可されています。(個別評価型の特別用途食品として4商品。)

特定保健用食品マーク
基づく法律栄養改善法(厚生労働省)・任意
基準「特別用途食品評価検討会」の意見を踏まえて判断
対象健康の維持・増進と病気の予防に役立てることを目的とする食品
主な目的栄養改善
特定保健用食品許可に必要な要件
@食生活の改善が図られ、健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること。
A食品、または関与する成分の保健の用途について医学・栄養学的に設定できるものであること。
B食品、または関与する成分の適切な摂取量が医学・栄養学的に設定できるものであること。
C食品、または関与する成分は食経験からみて安全なものであること。
D関与する成分は、物理化学的性状、および試験方法(定性および定量試験法)が明らかであること。
E同種の食品が一般的に含有している栄養分の組成が著しく損なわれていないこと。
Fまれに食べられるものではなく、日常的に食べられている食品であること。
G錠剤型、カプセル型などでない通常の食品であること。
H食品または関与する成分は専門医薬品として使用されるものではないこと。

健康機能を有する素材成分は糖質関係、食物繊維関係、たんぱく質関係、無機質関係、乳酸菌関係、配糖体など150以上あります。用途は、整腸作用、コレステロール調整、無機質類の吸収促進、虫歯予防、血圧調整、血糖値調整などです。

平成13年10月23日現在、278商品が許可されています。(厚生労働省ホームページの特定保健用食品の表示許可品目一覧を参照

JHFA認定マーク
基づく法律
基準(財)日本健康・栄養食品協会が設けている、健康補助食品についての一定の規格基準を満たすものに許可
対象食事で不足した栄養成分を補給したり、健康維持のために使用することを目的とする健康補助食品
主な目的品質や表示が一定の規格基準を満たすものを認定
JHFAマークの認定基準(JHFA:JAPAN HEALTH FOOD AUTHORIZATIONの略称)
@含有成分などの製品規格
指定検査機関において、商品のパッケージに記載されている成分の分析、安全・衛生面(残留農薬、重金属、一般細菌、大腸菌群等)について検査し、適格であること。
A製造・加工等の基準
原材料、製造工程、加工施設の設備、作業者の衛生管理等について、安全衛生基準を満たしていること。
B適正な表示、広告
商品のパッケージ等に記載されている表示について、まぎらわしい表現や不適切な表示がないか、食品衛生法、薬事法、栄養改善法等に適合しているかを審査し、適正であること。

JHFAマークが表示されている主な栄養補助食品群は、たんぱく質類、脂質類、糖類、ビタミン類、ミネラル、発酵微生物類、藻類、きのこ類、ハーブ等植物成分等などです。
(日本健康・栄養食品協会ホームページの「JHFAマークが表示されている食品群」を参照)

これとは別に、平成13年4月から厚生労働省が保健機能食品制度を新たに設け、保健機能食品として「特定保健用食品」(上記)のほかに「栄養機能食品」の分野が新設されました。健康補助食品はここに該当するものです。ビタミン(12種)とミネラル(2種)について、成分規格(上限値・下限値)が設定され、従来禁止されていた栄養機能表示も認められました。今後、たんぱく質や脂肪酸、食物繊維など、規格・認可される栄養成分の範囲が広がる見込みです。

精米の認証マーク
基づく法律 
基準 
対象精米工場でとう精される精米
主な目的精米表示と内容の一致を認証
主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(食管法)(農林水産省)で表示が義務づけられている「精米表示基準に基づく表示」と内容が一致していると認証された精米に貼付する。